ららばいダイアリー③ ゼロ日児虐待

昨年、東京・東新橋の公園で生後間もない女児が見つかった事件は、女性たち、とりわけ「予期せぬ妊娠」で悩む女性たちを支援する団体に大きな衝撃を与えました。

「なぜ私たちに相談してくれなかったの」「育てられなくても、出産したら赤ちゃんの命をつなぐ道はあったのに」という嘆きの声が多く聞こえてきたのです。
就活があるとはいえ、なぜ母親は子を殺すという行為に至ったのでしょうか。身近に相談できる人はいなかったのでしょうか。

母親である衣料品店店員の女性(23歳)は、客室乗務員を目指して就職試験に臨むために神戸から上京。羽田空港の多目的トイレで出産し、声をあげた女児の口を塞いで殺したようです。1年経った11月11日に殺人罪で逮捕されています。

殺された女児は、0歳0カ月0日の「ゼロ日児」です。実は、児童虐待で死に至るケースでは、この0日児の赤ちゃんがいちばん多いのです。今年9月に発表された「子ども虐待に死亡事例等の検証結果等について、第16次報告」(厚生労働省調べ)によれば、心中以外の虐待死は54人。死亡した子どもの年齢は、0歳が22人。0歳のうち月齢0カ月児が7人で31・8%となっています。主たる加害者は母親でした。

しかし、このような事件を起こしてしまった母親を責められるでしょうか。そこまで追い詰められてしまった母親の背景にある事情を考慮すべきだと思うのです。周囲には、実の母親をはじめ、家族や友だち、赤ちゃんの父親もいたはずです。なぜひとこと誰かに相談できなかったのでしょうか。残念でたまりません。

周囲に事情を知られたくなければ、相談機関もあります。彼女が住んでいた神戸には、思いがけない妊娠・出産で悩む女性たちのために24時間開いている相談窓口「小さないのちのドア」や、兵庫県助産師会が運営する相談窓口もあったのです。
熊本には親が育てられない乳児を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」に取り組む慈恵病院もあります。
 出産後に追い詰められる母親を見ていると、早いうちから相談機関につながっていれば、幼い命を助けられたかもしれません。彼女自身も傷つかなくて済んだと思うと、胸が締め付けられます。
 
かつて、我が子を手にかけて、罪をつぐなって出てきた、ある女性が言いました。
「デパートに買い物に行って、小さな女の子を見かけると、うちの子も生きていたら、あれくらいだったかなと思うんです」

 どうか追い詰められる前に、相談機関に繋がって欲しいと思っています。    樋田敦子記

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